福祉業界は、時代の変化による社会情勢の推移に応じて新たな種別の施設が制度化され、同時に社会的な役割も変化してきました。そんな福祉業界で共通しているのは、高齢者が加齢により心身の機能が低下していく中で能力をできるだけ維持して、自立した毎日を過ごしてもらうことを理想としていることです。福祉業界に転職した方はつい積極的な介護をしてしまいがちですが、それは逆に自立度を下げてしまうことに繋がります。安心感を提供しながら、本人の能力を引き出していくことが必要です。
福祉業界の中でも、都市型軽費老人ホームは2011年に制度化された種別で、部屋の面積を極力小さくして介護職員の配置数を見直すことで、施設利用料を安く抑えています。それに対し、ケアハウスは1988年に制度化された種別で、バリアフリー構造が行き届いているだけでなく、キッチンやトイレが完備されている部屋もあり、住居としてのニュアンスが強い施設となっています。
中でも、特定ケアハウスは要介護認定を受けていることが入居条件となっています。様々な介護機能を備えていて重度化にも対応しており、医療的なケアを提供する施設もあります。要介護度が低い状態で入居した人も、施設で長い期間を過ごしているうちに職員との愛着が生まれ、場合によっては看取りを希望することもあります。福祉業界への転職を検討している方はまず、それぞれの特徴を正確に把握することをおすすめします。